パヴェにゃん完成秘話。

Atelier shun

2007年10月20日 11:43



パヴェにゃん?
ひこにゃんをモチーフにしてパヴェリングを作りたいと思ったのが・・・かれこれ半年前
パヴェとはメレダイヤを敷き詰めたジュエリーがパリの石畳に見えることから、そのように
呼ばれています。ひこにゃんの丸みのある体形とカラーを見て、すぐにひらめいたのが
世界四大宝石のエメラルド・ルビー・サファイアそしてダイヤモンドのパヴェリングです
なかなかこのメジャーな宝石全てを組み合わせてジュエリーを作ることがなく
絶好の機会だと思い、ひこにゃんパヴェリングプロジェクトが立ち上がったのです
いつもながら僕の想いをスタッフに押し付けたのであった・・・
皆さんも、もうご存知かもしれませんが、アトリエ春ではひこにゃんリングを
18金とシルバーで制作しました。
実はパヴェリングを制作するための序章でもあり、イメージを膨らましていき、ひこにゃん
パヴェリングの制作に入っていったのです

しかし、そこから苦労の連続が始まったわけです
何が難しいかといいますと、セッティングする宝石の大きさ、並べ方、カラーをイメージして
配置を決め、そして、地金になってからの制作方法、仕上げ方も頭に入れて制作して
いかないと、磨く作業で出っ張りが無くなったりだれすぎたりと形が崩れ、思った位置に宝石が
入らなかったりしてしまいます。仕上げまでも計算しながら、ひこにゃんの体の丸みや厚み
などをワックス(ろう)にて制作するのですから、かなり高度な技術が要求されるのです。
さすがにこの僕でも・・・僕だから?先読みして制作することが非常に難しかったです

ワックスが完成すると、次はワックスを石膏で固めて窯で焼き型を作り、鋳造します。
そしてまずはシルバーで、原型のそのまた原型を制作してゴム型をつくり、再度シルバーで
鋳造して原型を制作。こういった工程を経てようやくプラチナのリングになったのが
すでに7月になっておりました      専門的でわかりにくいですよね・・・
ここまででもかなり大変な作業なんです。。。

次は、宝石に合わせてリングに穴をあける作業に入ります。
まずは宝石の直径をひとつひとつ正確に測り準備しておきます。その時点で宝石にキズや
カケがないかチェックしますが直径が1~1.8mm・・・ かなり気を使う作業になります。
そして、宝石の配置を決めてリングにしるしを付け、並べ方に注意しながらひとつひとつ穴を
あけていくのです  以前ブログで紹介した「ぶつぶつひこにゃん」の完成です。

そしていよいよ、宝石をひとつひとつ留める作業に入ります。
細かく指定した位置に、一流の彫り留め職人さんが、ひとつひとつ爪を起こして宝石を
留めるのですがそれはそれはかなり大変な作業であり、熟練の技が必要とされます
デザイン通りにできるかどうかは、最終的には彫り留め職人さんのセンスにゆだねることに。
イメージ通りにできるかどうか、ほんと出来上がってくるまでわからない状態で2ヶ月・・・
待ちに待ったひこにゃんが、キラキラのパヴェリングとして誕生したのです
いつしかスタッフ達が制作途中に“パヴェにゃん”と名づけていたのは言うまでもありません

今は最終仕上げの段階に入り、裏仕上げを経て、刻印をレーザー加工で打ち込む予定です。
ほんと、技のオンパレードです

宝石の内訳は、ホワイトダイヤをひこにゃんの全身に71個・ブラックダイヤを目と鼻に3個。
ブラウンダイヤをリング部分に64個。兜と襟にエメラルド4個・ルビー42個
イエローサファイア32個オレンジサファイア16個 合計232個の宝石を使用しました

超豪華ひこにゃんパヴェリングの完成をお楽しみに!!                    by.シュン



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